ムジゲ(虹)の便り

クレト 中村 道生 神父
cletusofm@hotmail.com
Frnaciscan Friary

韓国管区に、「ヘッツゥル(日の出)共同体」が新しく設立される

主のご降誕と新年のお喜びを申し上げます。 
幼子がお一人お一人の心に宿られ、平和と喜びをもたらしてくださいますように。憎しみと争いに傷ついたこの世界が光を受け入れ、癒されますように。

 皆様にとってこの一年はどんなだったのでしょうか。私にとっては大きな転換の年になったように思えます。2月に、人事異動で「祈りの家」の共同体の一員となり、司牧の仕事から遠ざかり、3人の韓国人修道士の兄弟たちと祈りを中心とした、共同生活をすることとなりました。

 3月末からは、韓半島3000キロを100日間、韓国のお坊さん達と南北平和統一を願って無事歩き通しました。 詳しくはここ「ムジゲの便り」をご覧下さい、
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 3番目は、やはり黙想会をかねて日本に一時帰国したことです。これについても「ムジゲの便り」12月9日に載せていますが、そこで書ききれなかった、−日本について感じたこと−をここで付けたしますと「引きこもり症候群」に罹っているように思えました。

 町並みは何処を歩いてもちゃんと整備されていて、たいていの家には自家用車があり、TVもパソコンもある豊かな暮らしをしているのに不安と恐れの中に引きこもっているように感じました。不況の嵐は、韓国がもっとひどい状況にあると聞いているんですが、ここでは前に向かっている力を感じます。

 日本を去る前に、TVで小さな福音を聞きました。新潟のある米つくり農家が数軒の農家と一緒になって、政府の減反政策に抗して作った米を北朝鮮に送っていると言う話しです。もう一つは、北九州のある団地で、外国人が多く出入りするということで何かと物議をかもしていたのですが、一人の若い主婦のアイデアで外国人に日本語を教える運動を開始し、日本語教師のボランティアを募集すると多くの人が参加し、外国人との交流が広がり共生の輪が広がったと伝えていました。

 ところで、韓国のフランシスコ会ではソウルの非常に貧しい地域に、「ヘッツゥル(日の出)共同体」を新しく設立することになりました。私もそのメンバーの一人に入れていただいています。実際に引越しするのは来年になりますが、今度は二人のブラザーの兄弟と3人で住むことになります。

 一人の兄弟は、有期誓願者で毎日神学校に通わなければなりませんし、もう一人の兄弟もフランシスカン家族修道会や正義平和委員会などの事務局の責任を負っていますので本部修道院に通うことになっています。それで私はもっぱらおふくろ役を担うことに成りそうです。今こちらで、韓国料理もどきを習っているところです。

 とにかく、来年は日の出の勢いとまで行かなくとも、キムチ・パワーで味のある生き方が出来たらと願っています。