出会いの恵み

 聖パウロ修道会 吉田圭介

 
まずは自己紹介を致します。
 今年3月に初誓願を立て、聖アントニオ神学院に入学しました、聖パウロ修道会の吉田です。私の所属する修道院は八王子市にあり、世田谷区の神学院に通うのは時間的に無理なので、平日はフランシスコ会の皆様と生活を共にしています。

 そもそも私がカトリックに触れることになったのは、中学生の夏休みに母と京都のカトリック老人ホームを訪れたことがきっかけでした。一年後に受洗し、進学は大阪のカトリック大学へ、そして一人暮しをはじめました。パウロ会の存在を知ることになったのは、たまたま近所にあった女子パウロ会を通してでした。以前からどこかの修道会入会の希望はありましたが、当時はパウロ会に入りたいとは思っていませんでしたし、大学卒業後、5年間の会社勤めをしてから、考えた末に入会し、今に至ります。

 振り返ってみて、人様にお知らせするほどの特別な歩みはしてこなかったので本当に簡単に書きましたが、なぜ今の自分があるのかと考えますと、人との関わりがあったからなのだと思います。受洗、大学生活、社会人などを経験して、その間に、神父様、大学の先生、教会の仲間たち、またパウロ会という選択に至った女子パウロ会との出会いがあったからで、このどれか一つの出会いが欠けていても、今ここにいる私は形成されなかったでしょう。そう考えると私にとってこれまでの出会いというものは、無意味だったことはなかったのです。何か必ず、ほんの小さなことでも影響されています。腹が立って会わなければよかった、と思えることでも、それによって自分の弱さに気付くこともあります。そのときに出会った人々にお世話になり、影響を受けたからこそ、ここまで来れたのだと思います。

 人間は生きていくときに、必ず誰かと関わっていかなければなりません。神はそのように生きるものとして人間を定めてくださったのではないでしょうか。人々と共に生きていってこそ、私ができあがっていく。
 今はこうしてフランシスコ会の方と新しい出会いを経験しています。今まで私をつくるために、神が出会いを通して必要な恵みを与えて下さったように、ここでの生活もまた神の与えて下さった恵みだと感じています。このような恵みを与えて下さった神に感謝しながら、これからの出会いを大切にしていきたいと思います。