ムジゲ(虹)の便り

クレト 中村 道生 神父
cletusofm@hotmail.com
Frnaciscan Friary

 すっかり春めいてきました!

最近日曜日には近くの小教区に共同回心式の奉仕に行っています。午前中2時間告白を聞くのはしんどいと言えばしんどいですが、韓国の信者の素朴で熱心な信仰に肌で触れることができありがたく思い、またいろいろ反省させられることもあります。特に先日の主日の福音、放蕩息子の帰りを待ちわび、無条件で許されるおん父の愛を思うとき、その愛を何とか伝えられたらと思います。

私たちの地域の道ひとつ隔てて所に小高い公園があって、頂上まで歩いても10分そこそこでいけます。そこから西側には北漢山の山並みが見え、北部ソウルの都市が一望できます。大統領府がある青瓦台と光化門はこの北漢山を背にしてソウル市を見守っている形になっています。午後、この公園まで散歩してきたのですが、球技に興じる人々、散歩楽しむ子供ずれ、寄り添って座っている若いカップルは春の訪れを楽しんでいるほんとに平和な光景でした。それなのに私の心には何か違和感がありました。

イラク開戦1周年となった20日は、三度この光化門の前を10万人を越える人々が埋め尽くしました。(1度は2002年ワールドカップ、2度目は米軍の装甲車で轢死した女子中学生の死を悼み)。今回は大統領弾劾訴追に対する抗議行為として、全国各地でろうそくを灯しての抗議が行われました。市民の直接選挙で選ばれた大統領を、多数派を占める野党が党利党略で弾劾決議したことは民主主義に対するクーデターだと言い切っています。実際、弾劾可決を間違ったとする市民は76%を超え、正しかったとする人々は21%に過ぎませんでした。

http://japanese.joins.com/html/2004/0315/20040315150820200.html

現場写真を見たい方は以下をクリックしてください。
http://roh.hani.co.kr/index.php?pg=2&sn=228

 カトリック教会の中でも積極的に行動する団体、カトリック人権委員会、カトリック正義具現全国連合、新しい世界を開くカトリック女性共同体、そして私たちのフランシスカン家族正平環境委員会など23の団体が光化門の近くの広場(渋谷のハチ公前広場みたいなところ)で午後5時から「弾劾無効と政治の浄化を求める祈りの集会」を開きました。

司祭は修道会の司祭たち4人がミサを司式し、修道者信者たち300人以上が集まり熱い祈りをささげました。説教はかなり政治的な発言でしたのでちょっとびっくりでした。最後に司式した司祭たちの紹介があり、私が日本から来た神父として紹介され大きな拍手を受け少し面映い気持ちになりました。でもおかげで、一人の日本人の若い信者に出会うことができました。

一方最近のニュース報道によると、北朝鮮では飢餓のためのまた緊急援助が必要とありました。いったい私たちに何ができるのでしょうか。パウロは今日の手紙(コリ2,20)で、「キリストに代わって願います。神とよりを戻していただきなさい。」と言っています。まずこのことから始めなければ本当の平和は実現しないのでしょうけれども。