ムジゲ(虹)の便り

ソウルはもう冬支度です

クレト 中村 道生 神父
cletusofm@hotmail.com
Frnaciscan Friary

   ソウルは今朝、薄氷がはったとありました。明日はもっと冷えそうです。皆様のところはいかがですか。
 9月17日。小泉総理のピヨンヤン訪問に続いて、1ヵ月後には拉致被害者の帰国。さらには、北朝鮮が拉致疑惑や不審船疑惑に続いて核開発疑惑もあっさり認めてしまいました。今後、朝鮮半島を巡る問題はどう展開するのか不安になっています。

 金大中大統領の太陽政策は韓国国内でも大きな非難を浴びています。日本では拉致被害者に関心が偏ってしまっているように思えますが、どうでしょうか。金正日総書記がこれらの疑惑を認めたことは大きな前進だったし、日朝ピョンヤン宣言は世界各国の指導者達が賞賛したように極東アジアの平和と安全に大きく寄与する可能性を持つものだと思います。

 北朝鮮に対して、援助はもちろん交渉もするな、むしろ袋叩きにしてしまえと言った雰囲気になっているみたいです。私も北朝鮮の政府に対して同じような思いになります。しかし、小泉さんは交渉を通して解決を図ると明言していますし、日米韓の連携は維持されていますので少しは安心ですが。

 ただ、民心はかなり感情的になっていますので、この先どうなりますか。特に韓国ではかなりフラストレーションがたまっているようです。何故なら、北は日本やアメリカにはかなり譲歩しているのに、一番友好的で援助を続けている同一民族を裏切り続けていると感じているからです。ちなみに、韓国政府が北に拉致されたと正式に認めているのは500人に近いのに何の対応もされていないこともあります。

さらに、南北問題はわれわれの問題だと言う思いがあるのに、北がこれまで南を利用はするために最低の譲歩をして多くのものを手にしていながら、目はアメリカと日本に向けているようなのが韓国民にとっては我慢ならないとこだと思います。

 北に対してアメリカは世界最強の軍事力と言う外交カードがあり、日本には戦後補償としての莫大な経済協力というカードがありますが、韓国には太陽政策というカードがあるだけです。しかもそれが有効に機能してない所に韓国の苛立ちがあるのだと思います。
しかし、私はいま、太陽政策が機能していないように見えたとしても、基本的、長期的に朝鮮半島の平和と安定にはこれが一番大切だと思っています。日米は自分のカードを、太陽政策を補完するために使うべきだと思います。北は政権維持のために核開発のカードを最大限利用するでしょうし、これまで通り平気で二枚舌を使うでしょう。

これは極論ですが、北も57年前の日本と同じで原爆投下後でなければ無条件降伏はしないのかも知れません。それは決してしてはなりません。韓日米の飴と金と鞭でその効果を引き出せたらと思います。

私は、ふと10月が、ロザリオの月であることを思い出しました。平和の元后に祈るのが一番ではと。いつも祈って入るのですが、もっと心を込めて祈ろうと思います。どうか皆さんも是非このロザリオの祈り一緒に唱えてください。ロザリオの熱い祈りが、閉ざされた国の氷を溶かしますように