ムジゲの便り

被昇天

クレト 中村 道生 神父
cletusofm@hotmail.com
Frnaciscan Friary

聖母被昇天の祝日おめでとうございます。
 
 昨日、一人のFMMのシスターとソウルの北にある道峰山に登り、そこに住んでおられる円空というお坊さんに会ってきました。良寛さんのように清貧の内に朝鮮半島の南北統一と世界平和のために生涯を捧げておられる方です。

 部屋には、粗末な手製の机と寝台があるだけです。電気すらないのには驚きました。入り口には、畳み1/3の広さに靴脱ぎ場があり、その横の2/3に簡単な仕切りがあって、台所とお手洗いがあり、水は山から引いてあります。

 実は、私は6月にプサンからテグまで10日間で300キロ、円空和尚さんと歩きました。実は、和尚さんと他の11人の一行は、2月の末から4ヶ月掛けて約4000キロ、韓国と日本にあるサッカー会場を徒歩巡礼され、日韓共同開催が成功し平和が促進されるようにと祈ってこられました。私は、その最後の行程に参加させていただいたわけです。(詳しい記事は「聖火」被昇天号をご覧ください。)

  それで、昨日は、久しぶりに和尚さんと再会し、国境を越え、宗教を超えて話し合いました。話は、自然と8月15日のことになり、日本の侵略の話を私が始めたのですが、
和尚さんは”盗人にも3分の理”があるように、当時の韓国政府にも非があったといわれました。

 お昼は、納豆とキムチでした。フランシスコとクララが一緒にした貧しいけれでも天的な食事を思い出しました。実は、「納豆をいただいたので食べに来ませんか」と誘われたわけです。一緒に巡礼していたときに、納豆を食べてみたいと言ったのを覚えておられたようです。

 さらに、驚いたことに、お別れして山を降りようとしたら、駅まで見送ってくださったのです。駅から山までは1時間も掛けて登って帰らなければならないのです。しかも、和尚さんは山を上り下りする度に、登山客が捨てていったゴミを拾っていかれるわけです。
  
 今日はカトリックでは聖母が天にあげられたことを祝う大祝日で、仏教では先祖を供養し、冥福を祈る日でもあります。また、この日は日本にとっては敗戦記念日であり、韓国にとっては独立を回復した「光複節」として祝われます。私は、韓国の和尚さんを通して聖フランシスコに会わせて頂いた様に思い胸が熱くなりました。

 今日はマリア様の特別なお祝い日です。兄弟の皆様のためにマリア様に祈りのメールを送っておきます。光と平和、癒しと喜びをくださいますように。