ムジゲの便り

日韓ともに念願のきめる!!!

クレト 中村 道生 神父
cletusofm@hotmail.com
Frnaciscan Friary

  6月13日。決勝T進出を決めたこの日、日本も大いに盛り上がり、列島中が喜びに沸きかえったようですが、韓国の喜びようは文字通り桁外れで、興奮に酔いしれる赤い人並みは町中に溢れていました。

 日本の情報はNHKの衛星放送がなぜかぜんぜんやっていなかったのでその様子を生で確認できなかったのですが、ある新聞記事によると、勝利の後たちまち熱狂した人々が、1万人もの人が集まったとありましたが、韓国では大型スクリーンの特設ステージが全国223箇所に設置され、試合の始まる数時間前から、警察の調べで278万人もの人が街頭応援に繰り出したとありました。

 TVの放送もめちゃくちゃ過激で、なんと葬式の斎場まで出かけてその勝利に歓声を上げている場面を放映していました。究極は、ある新聞によると、韓国の勝利を願って石油をかぶって焼身自殺を図った40歳の男性のことも伝えていました。

 日本でも道頓堀に何人もの男性が飛び込んだとありましたが、面白いことは、日本にも韓国にも、ヨーロッパのようなフリーガンたちによる暴動はほとんどなかったことですね。

 決勝Tがこれからどうなっていくか分かりませんが、私が描く夢のシナリオは、日本が、韓国で行われる3位決定戦で勝ち、韓国が、日本で行われる優勝決定戦で勝つことです。こうなれば共同開催国となった韓国と日本がそれぞれを心から応援しあい、ともに最後に勝利を分かち合うこととなり、市民レベルでしっかりとした信頼関係が築かれるからです。

 いずれにしろ、暗いニュース、悲惨なニュースが多い中で、WCは大きな喜びをもたらしてくれました。巨大化したWCには多くの問題が含まれてはいますが。

16日の主日の福音は、打ちひしがれている群集を憐れまれ、使徒たちを派遣される箇所です。私たち宗教者は、まだ真の喜びの福音を述べ伝え切れていません。むしろ、私たち自身が弱りはて、打ちひしがれているようです。復活されたキリストに会う前の弟子たちのように恐れて自分の殻の中に閉じこもっているのかも。