ムジゲの便り

400万人のカトリック

クレト 中村 道生 神父
cletusofm@hotmail.com
Frnaciscan Friary

 先日、「韓国カトリック教会統計」が発表されました。7月8日付けの「平和新聞」によれば、2000年12月30日現在で、韓国のカトリック信者総数は4.071.560人と、ついに400万人を突破したと報じていました。これは韓国の総人口に対して8.8%となっています。しかし信者の毎年の増加率は、80年代6%以上あったのが、90年代に入って減少し始め、95年以降は3%台にとどまり、昨年は3.2%まで落ち込んでいます。根本的な検討と対策が必要ではないかと述べられています。

 日本からすれば、うらやましい限りの話かもしれません。ちなみに、昨年1年で叙階された司祭は164人。 今年、7月5日、韓国聖職者の保護者、金アンドレア殉教聖人の大祝日にはソウル教区司祭が24名で、フランシスコ会も1名だけでした。少子化の影響もあるのでしょうか、これも年々減少してきているようです。

 韓国の社会にとって、信者数400万、司祭3.091人は大きな影響力をもっているといわざるをえません。2006年には総人口比のカトリックの信者の率は10%を越えると予想されています。そして、なんと「平和新聞」は、福音化率とよんでいます。

 ところで、先日のフランシスコ会の叙階式は金枢機卿が司式をされ、その中で意味深い説教をされました。「韓国の教会は大きな発展を遂げてきましたが、大変残念なことが一つあります。それは韓国の教会がまだ福音化されていないということです。アッシジの聖フランシスコは教会の福音化に大きな役割を果たしました。フランスコは聖人達の中でもっともキリストに似たものとなり、教会と世界にキリストをもたらしました。」と真の福音化が何かを教えていただいた思いでした。

 一寸蛇足ですが、金アンドレアの生涯は、「立て輝け」というタイトルで、日本語でています。神崎房子・チェウォンヨン編著で、金枢機卿の推薦のことばがあります。また、永井隆博士の本を、テグのイ・ムンヒ大司教が韓国語に編纂して出版されました。日韓関係がこのような相互理解となればよいのですが、教科書問題は大きなつまずきとなっています。何とか打開の糸口が見出されるよう願っています。