ムジゲの便り

正月なのに軍隊入りとは!(1月2日)

クレト 中村 道生 神父
cletusofm@hotmail.com
Frnaciscan Friary

みなさん 明けまして おめでとうございます
ソウルはクリスマスに続いて、正月にも雪が降りました。


 私は大晦日と元日は、老人ホーム 「クララの家」で過ごしました。文化住宅見たいなアパートに20人くらいのお年寄りが、マリアの宣教者会のシスター方のお世話を受けながら暮らしています。興味深いことはみんな信者の方で、ここにはいるまでは一人暮らしをしていた方たちです。ここは公の施設として国からの援助も受けています。日本でもこういう施設が出来たらいいなと思います。姫路に引退された司祭たちの立派な施設が出来ましたが国の援助がえられないため月数十万の費用がかかると聞いています。

 元日のソウルは日本の都市と同じで車の量が少なく、走っているのはバスとタクシーだけといった感じでした。でも、多くの人はまだ旧正月のほうを守っているようです。実は志願者達も今日は院長様からお小遣いをもらって思い思いに街に遊びに出かけていました。ただ、午後志願院に戻って驚いたことは、二人の志願者がいわゆる J I 刈りをして戻ってきたことです。彼らはこれをグンテモリと呼んでいます。直訳すると「軍隊頭」といい、入隊する前に必ず頭を短く刈っていかなければならないそうです。韓国では20歳から2年と2ヶ月の兵役の義務があります。これには志願者とて免除されません。ちなみに「ものみの搭」の青年は武器を持つことを拒否しますので2年と2ヶ月刑務所行きとなります。
 そういうわけで、志願院では元日の夜、送別のパーティーとなりました。別に悲壮感に満ちた感じはなく、むしろ「男の旅立ち」にエールを送るといった感じでした。すでに1年、2年前に兵役を終えた若い兄弟たちが二人のためにそれぞれにメッセージを送りました。一人の兄弟は自分が入隊する其の朝、母親が話してくれたことを伝えました。「お母さんに対する親孝行は特別なことは何もしなくていいんだよ。ただ今の元気な体で、そのまま戻ってくれたら一番嬉しいんだよ」と。
 また他の兄弟はこう言いました。「私は軍隊の生活が無駄だったとは思いません。私はそこで召命を考えるようになったのでむしろ感謝しています。私は入隊後の最初の日曜日のミサに預かったときの感動を忘れることが出来ません。それからは日曜日のミサが待ちどうしくなりました。」と。

 そして二日の今日、彼らは何も持たずに旅立ったのです。着ている着物以外には何も持たずに! しかも、入隊するとき、着ていったものはみんな袋詰めにして家に送り返すそうです。私はフランシスコが裸になって自分の着物をすべて返したという話しを思い起こしました。私は彼らの国を守るという素朴な思いにいろいろと考えさせられました。もし彼らを自国の為だけでなく世界の平和のために働くものとすることが出来たら。そして各国が、国境なき医師団のような全く軍事力によらない平和部隊を持つことが出来たらと。わたしのとっぴな初夢です。
 http://korea.insights.co.kr/korean/north/nature/gum_3.html  ←
韓国での初日の出!?